A unifying theory of branching morphogenesis

日時

2018年7月27日(金)16:30〜18:00(質疑応答を含む)

 

場所

京都大学理学部6号館304号室
アクセス 建物配置図(北部構内)【4】の建物

 

講師

Edouard Hannezo 氏(IST Austria)

 

言語

英語

 

開催報告

MACS-SG3では、Institute of Science and Technology Austria (IST Austria)のEdouard Hannezo 博士に「A unifying theory of branching morphogenesis」という演題でセミナーをしていただきました。

 

自然界には、サンゴやキノコのような大きなものから体内の肺組織や神経細胞といった小さなものまで、様々なスケールの「枝分かれ構造」が存在しています。しかし、このような枝分かれ構造はどのようなルールで作られているのか?そのルールはどこまで共通しているのか?といった事柄はよく分かっていません。本講演では、マウス乳腺の枝分かれ構造形成過程に注目して、先端の細胞増殖率の定量化や増殖と周囲環境の関連性(他の枝が近くにあるか)などを調べた結果、「伸張」「分岐」「(枝の密集領域における)停止」という3種類の挙動を用いたシミュレーションで、乳腺の枝分かれ構造を環境非依存的に再現できることが分かりました。加えて、外部環境に摂動を与えた際の枝分かれ構造の予測と実際の結果との比較を通じて、本モデルの正しさや3種類の挙動に関わる分子機構の探索が可能であることを説明されました。最後に、腎臓の枝分かれ構造などについても3種類の挙動に基づいたシミュレーションで枝分かれ構造を説明できることを話されました。質疑応答では、本モデルの普遍性や血管やリンパ管などの網目構造の形成ルールなどについて、活発な議論が行われました。(文責:高瀬悠太)